三段跳びにおけるリードレッグの役割とは
三段跳びでスランプに陥っている方に多いのが、
- リードレッグの使い方を間違っている
というケースです。
リードレッグの使い方は、三段跳びにおける基本中の基本であり、ここを疎かにしていては良い記録を望むことはできません。
記録を伸ばしたいのならば、「リードレッグにはどんな役割があるのか」をあらためて考え直してみましょう。
初心者はなんとなくで跳んでいるかもしれませんが、三段跳びでリードレッグを伸ばして跳ぶことには、ちゃんと合理的な理由が備わっているのです。
そもそも「跳ぶ」という行動を行うためには、重力に逆らうためのエネルギーが必要です。
何の工夫もなくジャンプしただけはすぐに重力に捕まってしまうため、飛距離を伸ばすことができません。
そこで「跳びたい方向に脚を振り上げる」という動作が役に立ちます。
足を振り上げることで、上向きの加速力が重力を一時的に上回り、重い人間の体を遠くまで運んでくれるのです。
この「振り上げた脚」こそが、三段跳びにおいて「リードレッグ」と呼ばれる脚の正体になります。
つまり、リードレッグは遠くまで跳ぶための「燃料」のようなものだと思ってください。
リードレッグを上手く使って勢いを増すことができれば記録は伸びますし、逆にリードレッグの使い方が下手な人は、風の抵抗や重力の影響をモロに受けて失速します。
三段跳びにはある程度の筋力やセンスも必要ですが、それらを凌駕する大切なポイントこそがリードレッグ使いだと言えるのです。
「リードレッグはまっすぐ伸ばすほど良い」というのは本当か
世界的な選手の跳び方を見てみると、跳んだ瞬間リードレッグがまっすぐに伸びているのがわかります。
その美しいフォームに憧れ、「リードレッグはまっすぐ伸ばすほど良い」と考える選手も多いはずです。
実際、有名な指導者のなかにも、そのように指導する方が少なくありません。
確かに「リードレッグはまっすぐ伸ばすほど良い」という話はあながち間違っていないといえるでしょう。
しかしリードレッグをまっすぐ伸ばすことだけに執心していても、記録は伸びないということを頭に入れておきましょう。
先ほど、「リードレッグは燃料のようなもの」だというお話をしました。
リードレッグは、人間の体を浮かせるためのエネルギーを生む大切な要素です。
しかしその推進力を生んでいるのはリードレッグを「上げたときの勢い」であり、決して「まっすぐ伸ばしている」ことが、記録に直結するわけではありません。
つまり「まっすぐ伸ばす」ことが大切なのではなく、
- 「勢いをつけて高く上げる」というのがリードレッグの正しい使い方
です。
世界的な選手のリードレッグがまっすぐに伸びているのは、「まっすぐ伸ばす」を意識しているというよりも、「高く上げた」結果としてまっすぐになっているだけなのです。
踏切り練習を繰り返してリードレッグの使い方をマスターしよう
簡単に説明してきましたが、リードレッグの使い方は言うほど簡単にはマスターできません。
有名な選手のような美しいフォームを体現できるようになるためには、それこそ何百回何千回と練習を繰り返す必要があるでしょう。
三段跳びの練習として取り入れている方も多いと思いますが、リードレッグの使い方を学ぶなら
- 「踏切ドリル」
がオススメです。
一応説明しておくと、踏切ドリルは三段跳びにおける、踏切動作の部分だけを反復練習することで、より正確な動作を修得するための練習方法です。
「リードレッグの練習がしたいのにどうして踏切?」と疑問に思われるかもしれませんが、リードレッグの使い方を学ぶ上で踏切の動作は非常に重要です。
というのもリードレッグの動作は「踏み切った瞬間」に行うため、踏切りそのものが上手くいかないと、自然な流れで動きを繋げることができなくなってしまうのです。
踏み切った瞬間、リードレッグをちゃんと高く上げることができるかどうかを何度も確認し、確実性を高めていきましょう。
踏切ドリルの動画
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