基礎技術と記録との関係
堤選手は184㎝と日本人選手としては大柄であり、ベンチプレスなどをはじめとしたウエイトトレーニングの記録も、高い水準であることからわかるように、身体能力や才能に恵まれた選手であると言えます。
しかし、好記録を連発している背景には
- 土台である投擲の基礎技術がしっかりしている
ことが、最も大きな影響を与えていると言えます。
もちろん円盤投は、生まれ持った力が大きく影響する競技であることは間違いありませんが、やはり最後に活きてくるのは投擲の基本的な技術です。
そこで、今回は投擲における基礎的な技術のチェック方法を紹介していきます。
立ち投げとターンの差で分かる技術力不足
円盤投を初めて、ある程度経験を積んだ選手は立ち投げを卒業し、ターンでスローをするようになると思います。
しかし、ターンを始めたばかりの選手では、立ち投げとほぼ同じ記録しか出ないということも珍しくないと思います。
では、立ち投げとターンでは、競技レベルによってどの程度記録に差が出るのでしょうか?
世界トップクラスの選手では10mを超える選手も数多くいます。
日本人選手でも、トップクラスの選手になれば10m前後の記録差がでる選手は存在します。
ですが、ほとんどの選手は5mから7mの間で収まっていることが多いです。
ですので、1つの指標として
立ち投げとターンの差が「5m」以上であれば基本的な技術が身についており、反対に「5m」以下であれば技術力が不足している
と言えるでしょう。
では、この差はどうしてついてしまうのでしょうか?
原因としては、立ち投げの時にできていた構え方が、ターンした後ではできなくなっていると考えられます。
また、
- 立ち投げとの差が少ない選手はファールを多くする
という特徴もあります。
それでは、次の項目では、ファールの原因と、ファールと技術力の関係について説明していきます。
ファールは技術不足が原因?
みなさん試合でファールを繰り返してしまったという経験がないでしょうか?
実は
- ファールを繰り返す原因には、技術が不安定であることが原因
にあります。
実際に全国大会でも、
記録が高い選手と低い選手のグループを分けたところ、高い選手の方がファールの数が少なかった
そうです。
このことから
- ファールが減る=投擲技術が高くなった
ということが言えます。
以上のことから、
- ファールの数は基本的な技術が身についているかどうかの有効なチェック方法
になります。
右抜けファールの2つの大きな原因
では、どうしてファールは起こってしまうのでしょうか?
円盤投において、一番多いファールのケースである円盤が、右に抜けること(右抜け)を例に原因を見ていきましょう。
右抜けの原因には大きく分けて2つのパターンがあります。
リリースのタイミングが早い
1つ目は、
投げ急いでしまいリリースのタイミングが早くなり、体が開いてしまうことで円盤が右にそれてしまうパターン
です。
こちらの改善方法としては、無理に円盤を投げようとせず、投げる前にタメを作ることです。
右にそれるからと言って、腕で投擲の方向を変えようとしたりすると、結果的に下半身と上半身のタイミングがずれるため、失敗投擲に繋がります。
ですので、リリースする際はできるだけ「待つ」ということを意識して、体全体で投げることを意識してみてください。
リリース時の足の位置が適正でない
2つ目は、リリース時の足の向きが適正ではないパターンです。
少しわかりにくい表現かもしれませんが、リリース時に理想とされる足の向きは、投げる方向に対して直角になっている状態です。
つまり、サークルを真上から見たときに、時計の針でいう12時の方向に足先が向いていることが理想とされます。
一方、
右に抜ける時に多いパターンは、時計の針が1時や2時の方向に向いているとき
です。
この状態でまっすぐ投げようとすると、リリース時に体を必要以上にひねる必要が出てきます。
結果的に、通常の感覚で投げてしまうとひねりが足りずに、右方向に円盤が飛んで行ってしまいます。
仮に、まっすぐ飛んで行った場合にも、重心がすでに左足に乗ってしまっている状態での投擲になるので、記録を伸ばすことができません。
試しに立った状態で体をひねってもらうと分かりやすいと思いますが、体をひねると右足から左足に重心が移動してしまいます。
重心移動のタイミングが、リリースのタイミングと一致していると、上手く円盤に力を伝えられますので、より遠くに円盤を飛ばすことができます。
ですが、このように必要以上にひねりが加わるとこのタイミングがずれてしまい、失敗投擲に繋がります。
以上のようにファールの原因には次の2つのパターンにおちいっている可能性が高いです。
- ?リリースのタイミングが早く、タメが十分に作れていない。
- ?リリース時の足の位置が適正ではなく、必要以上に体をひねってしまっている。
ファールを多くしてしまう方は、以上の点に改善できるように努力してみましょう。
最後に
- 立ち投げとの記録差とファールの多さ
皆さんはチェックを行ってみて、当てはまることがあったでしょうか?
円盤投は、中々技術を向上させることが難しい競技ではありますが、地道に練習を行っていれば必ず技術は向上していきます。
さいごに、みなさんに1つ気を付けていただきたいことがあります。
それは、ターンで上手く投擲ができないからと言って、むやみやたらにターンでの練習を繰り返すことです。
一見、ターンでの投擲を上手くするには、ターンを多くこなす必要があると思われがちですが、技術が未熟な状態でターンの練習を続ければ、悪いフォームが身についてしまいます。
そうすれば、一度立ち投げで身についた、基本的な構えなども崩れてしまいます。
ターンが上手くいかない時ほど、まずリリース時の構えや足の位置などを立ち投げで体に染み込ませ、徐々にターンの練習を行うようにして、基礎技術を向上させていってください。
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