ちゃんと呼吸法に気を使っていますか?
もちろん普通に呼吸している方もいますが、「長距離走に適した呼吸法」を使っている方も多いのです。
長距離走に適した呼吸法は、通常の呼吸よりも、多くの酸素を取り入れることを目的としています。
初心者ランナーは、長距離を走るなかで呼吸のペースが乱れ、上手く酸素を取り入れられなくなることがあります。
せっかく体力が残っていても、酸欠状態になってしまえば、それ以上走ることができなくなってしまうでしょう。
そうした事態を避けるために役立つのが呼吸法の改善です。
呼吸法を変えることで、体力や筋力を鍛えただけではどうしようもない「酸素の取り込み量」を大きくパワーアップすることが可能です。
不慣れな間は余計にキツく感じるかもしれませんが、呼吸法をマスターすれば今までより遥かに楽に走れるようになりますよ!
呼吸法1「2回吸って2回吐く」
マラソンランナーに最も有名なのが
- 「呼吸を2回に分ける」
という方法です。
普通の呼吸は「スッ、ハッ」というように1回づつ行いますが、この呼吸法は
- 「スッスッ、ハッハッ」というリズム
で行います。
2回連続で息を吸うということに、最初は違和感を覚えるかもしれませんが、慣れるとかなり呼吸しやすくなってきます。
マラソン中は普通のペースで呼吸すると、体内の酸素量が足りなくなってしまうのですが、この呼吸法を使えば2倍のペースで酸素を確保することができます。
2回吸うから2倍…というのはあくまでイメージの問題なので、実際の酸素量がちょうど2倍になるわけではありませんが、それに近い効果は得られるはずです。
この呼吸法は、実際に多くのマラソンランナーに使われているので、信頼できる方法でもあります。
使っている方が多いので、詳しい方法が知りたければ、周囲の先輩ランナーにアドバイスしてもらってもよいでしょう。
呼吸法2「深く吸って深く吐く」
2回連続で吸うのが難しいという方は、
- 「深く吸って深く吐く」
という方法を試してみてください。
単純に思えるかもしれませんが、この呼吸法で走っているランナーも少なくありません。
「スッ、ハッ」と早いリズムで呼吸するのではなく、
- 「スーッ、ハーッ」とゆっくり呼吸する
のがポイントです。
吸い過ぎると逆に苦しくなるので、長く吸った分ちゃんと長く吐くように心掛けましょう。
上記でご紹介した「2回吸って2回吐く」という方法と、効果そのものは大差ありません。
やりやすさが変わるだけなので、両方とも試してみて、自分に合っていると感じたほうを練習していくとよいでしょう。
呼吸法3「6拍子呼吸法」
「2回吸って2回吐く」という方法を少し変化させたのが
- 「6拍子呼吸法」
という方法です。
違いは極めてシンプルで、「呼吸を2回に分ける」という従来の方法に対し、
- 「呼吸を3回に分ける」
というのが6拍子呼吸法のポイントです。
つまり
- 「スースースー、ハーハーハー」
というリズムで呼吸を行うわけですね。
また、この方法は呼吸を2回に分ける方法に比べて、呼吸の深さが違います。
「スッスッ、ハッハッ」と刻むように呼吸するのではなく、
- 「スースースー、ハーハーハー」と深く呼吸
します。
浅く呼吸してしまうと、わざわざ3回に分けた意味がなくなるので、深くなめらかに呼吸を行えるように練習しましょう。
多少肺活量が必要になる方法なので、どちらかといえば中級者向けの呼吸法だといえます。
呼吸法4「苦しいときに吐く」
これはどの呼吸法にも応用できる方法なのですが、
- 「苦しいときに息を吐く」
というのも一種の呼吸法です。
初心者は苦しくなってくると、息を吸おうとしてしまうものですが、限界まで苦しくなった場合は、落ちついて
- 呼吸を深く吐くほうが大切
なのです。
苦しいと感じていても、肺のなかには必ず空気が残っているものです。
空気が残った状態で息を吸おうとしても、吸い込める容量が少ないので、ほとんど酸素を取り込めません。
一度息を吐き切って肺をカラッポにしてしまわなければ、苦しさを解消するだけの空気を吸うことができないのです。
肺に空気を残したままで、新しい空気を吸おうともがけば、いわゆる「過呼吸」という状態になってしまいます。
過呼吸になってしまっては走るどころではありませんので、苦しいと感じたらまずは息を吐いて「呼吸を整える」ということを意識しましょう。
マラソンでの呼吸方法に関するおすすめ動画はこちら
マラソンで記録を伸ばす方法
マラソンでの記録を伸ばしていくには
- 一流の選手がどのような練習やトレーニングをしているのか?
- 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
関連ページ
- ランナーが関節を痛めずに走るための「膝サポート走法」とは
- 長距離ランナーにとって、ランニングによって関節を痛めてしまう方が後を絶たないことも事実です。アマチュアランナーによる準備運動不足や間違った走り方が原因となり、膝や股関節にダメージを蓄積させてしまうことが珍しくありません。特に膝を壊してしまうランナーは多く、体力も筋力も充分にあったのに膝を痛めてしまったために引退を余儀なくされたランナーは数知れません。そこで膝のケガのリスクを抑えた膝サポート走法を紹介いたします。
- 長距離走選手が知っておきたいデッドポイントとセカンドウィンドとは?
- 長距離を走るランナーなら絶対に知っておくべき「デッドポイント」と「セカンドウィンド」の2つを解説したいと思います。この2つの要素を知っているかどうかで、長距離の走りやすさがグンと変わります。デッドポイントとは、ランニングを行う上で一時的な酸素不足に陥っている状態のことです。セカンドウィンドとは、デッドポイントを抜けた途端に体が軽くなる現象のことを指します。
- ランナーの走り方は「ピッチ走法」と「ストライド走法」に分かれる
- より速く・より長距離を走るためには正しい走法を覚えたほうが良いでしょう。ただ走るだけなら誰にでもできますが、長距離走の世界で記録を残す選手はいずれも自分に合った走法を見つけているものです。マラソンを始めとした長距離走競技には、大きく分けて2種類の走り方があります。ひとつめが「ピッチ走法」、そしてもうひとつが「ストライド走法」と呼ばれるものです。初心者ランナーに向けて「ピッチ走法」と「ストライド走法」の違いを説明していきます。
- 初心者はランニングシューズを買う必要がある?
- 初心者ランナーの皆さんに今回お伝えしたいのが、「無理にランニングシューズを用意する必要はない」ということです。何事も形から入りたいという方ならランニングシューズを買ってもよいのですが、お金をかけたくないという方は別に普通のスニーカーでも充分です。2000円〜3000円の安いスニーカーを買ってランニング用にしてもいいですし、なんなら普段履きのスニーカーをそのままランニング用に使っても構いません。ハッキリ言ってしまえば、初心者ランナーが走るのにランニングシューズは不要なのです。