走り幅跳びの空中フォームについて
- かがみ跳び
- 反り跳び
- はさみ跳び
があります。
どの跳び方が優れているということは一概にはいえませんが、自己のレベルにあった跳び方をするのが、記録を伸ばすための第一条件です。
空中フォームの種類
(1)かがみ跳び
初心者に向いているのがこのかがみ跳びです。
助走のスピードを生かすことができ、走り幅跳びを始めたばかりで、スピードがある人に適しています。
(2)反り跳び
中級者向けの跳び方です。
5m50p以上からが目安です。
大会を見ていると、この跳び方が一番多いです。
(3)はさみ跳び
上級者向けの跳び方です。
6m60p以上跳ぶ方に多いです。
より遠くに跳んでいる人は、空中を歩いていると言われます。
具体的なポイントはこちらをご覧ください。
自分に合った跳び方を選ぶ
跳び方を区分けをしていますが、6m60p以上跳んでいる人が、全員はさみ跳びなのかと言われれば決してそんなことはありません。
かがみ跳びや反り跳びで7m以上跳ぶ人もいます。
何より重要なのは
- 自分がどの跳び方をやりたいのか
- 自分にその跳び方は合っているのか
ということを考えることです。
空中フォームの練習方法
今回は、中級者向けの反り跳びのやり方、練習方法などについて書いていきます。
(1)ブロッキングの飛び出しが大事
助走からの踏切で、踏切の軸足(踏切足)が潰れてしまうと、上にその後の跳躍に伸びが出ません。
そのため、踏切で軸足が潰れないように踏み切ることが大切です。
踏み切り足の強さと安定性を向上させるトレーニングはこちらをご覧ください。
左足踏切の場合の、踏切後の反り跳びの動作の流れです。
- リード足(踏切時に上げた右腿)を下に降ろしてくる。
- ブロッキングの右腕を後ろから回して上へ持ってくる。
- ブロッキングの左腕を後ろから回して上へ持ってくる。
1から3を行うと、空中で両手がバンザイの形になり、体全体が反った形になります。
その体が反った状態から両手両足を前に振り出し、長座体前屈の形に持っていき着地に繋げます。
反り跳びのポイントとしては、体が反った状態で空中に浮いているという感覚を得ることです。
その感覚を得るために、スムーズな加速による助走からの踏切と、ブロッキング動作の徹底と、空中動作を自然に行えるようにするのが目標です。
(2)練習方法
以下は左足踏切の場合についてですが、右足踏切の場合はこれの逆ですので注意してください。
ダブルスキップ
ブロッキング動作の定着と踏切時に上に上がっている感覚を得るための練習です。
やり方
- その場で右足、左足を小さく前後に入れ替えながら前に進んでいきます。
- 左右入れ替えながら細かく進んでいき、自分のタイミングで左足が前に来た時に、ブロッキング動作を行います。(右腿蹴り、左アッパー、右後ろひじ打ちを同時に行う)
- ブロックキング動作を行うと、体が上に浮き、左足が真っすぐに残っていると思いますので、左足から着地をします。
(3)まで終わったら、(1)に戻り同じ動作を繰り替えして行っていきます。
注意点
ダブルスキップ時にブロック動作で上に上がるときに、次の3点に当てはまっていると上に上がることができません。
- リード足(右腿)、左腕、右腕のタイミングが合わない
- 全身が力んだ状態で行う
- 軸足(左足)が潰れる
逆を言うと、全てのタイミングが合い、軸足が潰れなければ、そんなに力を入れなくても上に上がる感覚を得ることができます。
また姿勢も重要です。
きちんと真っすぐの状態で行うようにしましょう。
このダブルスキップは、しっかりとした感覚を得られるようになるには時間がかかりますので、じっくりと取り組んでいってください。
歩きながら空中フォームの練習をする
地上において、反り跳びの空中フォームを定着させるために行います。
やり方
- ブロック動作を左足踏切ならば左足を地面にある状態で行います。
- 空中動作と同様に右足を下に降ろして、右手、左手を上に持ってきてバンザイの形にします。
- 両足を前に持ってくるのは無理なので、左足を前に持ってきて、上にある両手を左足につけて着地前の時と同様の動作をします。この時右足が地面についています。
(1)〜(3)を1サイクルとして跳躍練習前に、5回程度繰り返して行うと良いでしょう。
大会でも空中フォームの確認として、これと似たような動作をしている選手がいます。
跳躍前のイメージを作るにも使えますので、是非習得してください。
短助走・中助走練習
自分の跳躍全体の見直しと強化したい所の練習に使います。
- 助走
- ブロッキング
- 空中フォーム
- 着地
と臨機応変に、目的意識を持って練習に取り組んでください。
短助走練習では、以下の点について気をつけて練習してください。
- 踏切の最後のテンポアップ
- ブロッキングより上に上がれているか
- 空中フォームができているか
- 着地までしっかりまとめられているか
上手く持っていけていないならば、ロイター板等を使って、跳躍に高さを持たすと効果的に練習できます。
中助走練習では、主に気をつけることは一つだけです。
- 短助走で習得できたことがスピードを上げた中助走の状態でできるのか
短助走練習から、中助走練習で一番変化があるのは、助走のスピードです。
中助走は全助走とほぼ同じスピードで行うため、一つ一つの動作が遅れることが多々あります。
これを解消するには、短助走で行っていた動作全体を、少し早く行うようにすると良いでしょう。
中助走の練習でしっかりと跳ぶことができれば、全助走でほぼ同じように跳ぶことができます。
短助走で基礎を固めたら、中助走の練習で基礎の確認をし、全助走に応用していく
と言ったイメージを持つといいでしょう。
助走は走り幅跳びの記録に大きく影響します。
走り幅跳びのおすすめ動画
走り幅跳びの着地について
走り幅跳びの着地についてです。
優先順位としては、最後のイメージになりがちな着地ですが、実は大切です。
各都道府県大会や、インターハイなど強豪が集まる大会では、1pや2p差が入賞の分かれ目になることが良くあります。
特に入賞となる8位や、インターハイ等に進む条件である6位は、ほぼ僅差であることも多いです。
たかだか1pで泣くのは本当にもったいないです。
その1pで泣かないためにも、無駄な着地をすることをなくしていくことが大切です。
無駄な着地とは
先程の空中フォームの所で両手両足を前に振り出し、着地に繋げると書きました。
振り出し後の着地動作が上手く行かないと、10p〜50pは損をします。
良くある例としては・・・
- 肘をついてしまう
- お尻をついてしまう
まだまだ、様々なケースがあると思いますが、無駄な着地をしている人がいるならば、その人は着地をマスターすれば10p〜50p距離が伸びるのです。
とてもやりがいがあるし、手っ取り早く記録を伸ばすことに繋がります。
良い着地とは
良い着地とは、両手両足を振り出した後、着地時には必ず踵から砂場に入るはずです。
そして踵が砂場に付いたらその踵の場所にお尻をつけるように、滑り込ませるようにして持っていきます。
両手はお尻より後ろに出ないように、前でまとめるようにします。
着地の練習方法
着地の練習方法としては立ち幅跳びでこの
- 『踵にお尻をくつける』
という感覚を体に染み込ませ、自然にできるようになるまでやり込みます。
そのあと、短助走や中助走で空中動作と合わせてできるかを確認していくだけです。
助走や踏切動作や空中フォーム等の優先順位は劣りますが、勝負で勝つためには必ず必要な要素ですので、しっかりとマスターすることをお勧めします。
ポイントは『踵にお尻をくつける』です。
最後に
今回は空中動作、着地と走り幅跳びの跳躍の後半部分に触れてきました。
各々コーチがいる人、いない人、ましてや学校に砂場がない人だっているかもしれません。
様々な指導方法や練習方法があり、そのおかげで日本の走り幅跳びのレベルも上がってきています。
一つ一つ色々な考えや練習方法に触れ、どれが自分に合っていてより効果的なのかを知ることが何よりも大切です。
その取捨選択が自分の個性を作り、より遠くへ跳ぶきっかけとなるはずです。
詳しい一流選手の練習方法はこちらをご覧ください。
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