短距離の大会で最高のパフォーマンスが出せる4週間前から練習の計画
全ての試合で最高のパフォーマンスができれば、一番良いのですが、中々そう上手くはいきません。
そこで、
- 試合を迎えるまでの練習
- 試合当日の過ごし方
をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
試合当日にピークを合わせるために
目当ての試合、記録を出したい試合がある場合、4週間前から練習の計画を立てるようにしましょう。
1週目
1週目は、
- 基礎体力
- 基礎筋力
を付ける期間です。
また、自分の走りの中での課題を見つける期間でもあります。
例えば、前傾姿勢が保てないとか、レース後半に極端にスピードが落ちてしまう等といった課題です。
走りの基盤となる状態を作りつつ、課題を見つけ、それに対する改善案を出しましょう。
2週目
2週目は、1週目で見つけた課題を克服するための練習をします。
前傾姿勢が保てない人ならば、腹筋・背筋・大殿筋等を鍛えると効果的です。
3週目
3週目は、鍛錬期とも呼ばれ、練習の質・量共に高める期間です。
筋力トレーニングは確かに有効ですが、やはり鍛えた筋力を走りに結びつけなければ、意味がありません。
1・2週目で取り組んだことを、走りにつなげるべく、徹底して走り込みましょう。
100m選手であっても、少し長めの距離を走り、レースの動きに近づけます。
例えば、200mを100m・100mの2つの区間に分け、前半でしっかり加速し、後半でそのスピードを維持する、といったメニューがあります。
4週目
4週目は体を回復させつつ走りにキレをだし、試合に備えます。
本数や距離を少し緩め、集中してダッシュをするようなメニューを作りましょう。
疲れが溜まったあと、体を休めると走りにキレやバネが出ますので、その回復のピークを試合に合わせることが、試合当日のベストパフォーマンスにつながります。
試合当日の流れ
試合当日は、時間を気にして動く必要があります。
レースに出るためには、招集と呼ばれるものを受ける必要があるのですが、この招集は、だいたいレース開始時間の30分〜40分前に行われることが多いです。
試合によりますが、招集後は拘束され、体を動かすことができないような状態になる場合もあります。
招集を受けるまでに、ウォーミングアップを済ませておく必要があります。
つまり、
- レースの開始時間に合わせてウォーミングアップをしていては遅い
ということです。
一般的には、招集の1時間〜1時間半前にウォーミングアップをスタートさせます。
ジョギングやウォーキングから開始し、スプリントドリルで動き作りをし、MAXスピードの加速走も、必ず数本入れるようにします。
筋肉に速い動きを入れておかないと、レース本番で体が急に動かないので、鈍い動きのままレースが終わってしまいます。
そうなっては良い記録は狙えませんので、MAXスピードの走りは、必ず入れておきましょう。
水分補給
レース本番、スタートラインに立った時に、上手く力が入らないような経験をしたことがないでしょうか。
緊張が原因の場合もありますが、水分補給の方法に問題があることも考えられます。
水分を、1度に大量に摂取してしまうと、血液の濃度が薄まってしまい、体に力が入らなくなったり、頭がぼーっとしてしまう原因になります。
また、人間が1度に吸収することができる水分量は200mlと決まっているため、
- こまめに水分補給
をすることをおすすめします。
人間の体内の水分には、ナトリウムと呼ばれるものが含まれています。
水分補給といっても単純に水やお茶を飲んでいるだけでは、上手く吸収されません。
特に夏の試合では大量の汗をかきますので、水分補給が重要になってくるのですが、スポーツドリンクを1.5倍〜2倍に薄めて飲むようにしましょう。
買ったままの状態ですと、濃すぎるため、体内の濃度に近づけるようにするためです。
元陸上選手の朝原宣治さんも、練習や試合ではスポーツドリンクを薄めて飲むようにしていると、語っていました。
レースで失敗が続いている方は、ぜひ今回紹介したことを試してみてください。
少しでもみなさんの記録が上がれば、幸いです。
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