ハードル走で速く走る為に必要な事とは!
- 男子110mハードル
- 女子100mハードル
- 男女400mハードル
とありますが、ここでは短距離の男子110m、女子100mハードルについて書きたいと思います。
ハードル走を速く走る為には、純粋に
- スプリント(短距離)の速さ
- ハードリング技術
が必要となります。
スプリントについては、日頃の練習の成果がそのまま結果に結びつくものでありますので、ここではハードリング技術について書いていきたいと思います。
ハードリングで大切な事
ハードリングの中で最も大切な事とは、
- ハードルへの恐怖心を無くす事
です。
ハードル選手であれば、そんな事は当たり前だと感じる人も多いでしょう。
ですが、その当たり前の事が出来ていない人が多いのです。
自分では全く恐怖心を持っていないと思いがちですが、無意識の内に恐怖心を抱いてしまうものです。
ハードルへの恐怖心が、ハードリングの際に自然と上方向への力を働かせてしまうのです。
その事でハードルを跨ぐのでは無く、跳び越してしまっているのです。
あくまで
- ハードリングとは跨ぐという意識
が必要なのです。
ハードルへの恐怖心を無くすには
ハードルへの恐怖心は、その高さへの恐怖心にあります。
男子の中高生は必ずしも経験する事でしょう。
それは、ハードルの高さが変わる事にあります。
- 中2?中3時に役7.6cm
- 高1?高2時にも7.7cm
と、4年間で15.3cmも高くなるので当然の事でしょう。
ですが大丈夫です!
その4年間であなたも成長しているのです。
良く、ハードルへの恐怖心を無くす為に、ハードルに当たっても痛くないから大丈夫!という事を聴きますが、そんな事は絶対にありません。
間違い無く痛いです!
一歩間違えれば怪我にも繋がりかねません!
要は
- 当たっても痛みが少ない跳び方をする事
が必要なのです。
恐怖心から跳び越えようと、上方向に跳ぶから当たると痛いのです。
転倒にも繋がる可能性が高いのです。
恐怖心を無くすには、跨げるようになる事です。
理屈で考えれば簡単に跨げるはずです。
ハードルの高さは
- 一般男子で1.067m
- 一般女子で0.838m
です。
これを見ると高いと思いがちですが、実はそんな事無いのです。
理想的なハードリング姿勢では、ハードリング時に一番低い位置にあるのは股下です。
成人男性の股下平均が約78cm、女子が約72cmです。
この事から男子で30cm、女子で12cm跳べばハードルは跨ぐ事が出来るのです。
これは極端に理想的な例ではありますが、もう5?6cm跳べばハードルに引っかかる事はありません。
ハードリング時の脚の動き
ハードリング時には、踏み切った逆の脚が振り上げ脚、踏み切った脚が抜き脚となります。
- 振り上げ脚は、膝を曲げずに真っ直ぐ伸ばす事
が理想です。
膝が曲がると、曲がった分だけ最高到達点が低くなり、ハードルに引っかかり易くなります。
- 抜き脚は出来るだけ腰の高さまで上げ、膝と足首が直角になる様に曲げます。
抜き脚も出来るだけ高く、直角に曲げないとハードルに引っかかり易くなってしまいます。
振り上げ脚が縦の動きで、抜き脚が横の動きとなります。
ハードリング時にテンポ良くスムーズに出来る様に、入念にストレッチとイメージトレーニングする事が重要です。
全てのハードルを同じ脚で跨ぎます。
振り上げ脚と抜き脚が入れ替わる事はあってはいけません。
インターバル間の走り方
インターバル(ハードル間)は全て3歩で走ります
。これは、踏み切りの脚を全て同じ脚にする事と、タイムアップの為に必須な事です。
インターバルの距離は
- 男子で9.14m
- 女子で8.5m
です。
良くインターバルを3歩で走れないと聞きますが、それには理由があるのです。
それは先にも述べた
- ハードルを飛び越えている事が原因
の多くです。
飛び越え時のスピードは跨ぎ時に比べると遥かに遅く、着地地点と第一歩目の距離が遥かに短いのです。
スピードに乗った踏み切りと着地をする事で、インターバルを3歩で走る事が出来るのです。
ハードルを倒す原因とは?
ハードルを倒したり、引っかかる原因の多くは、踏み切り位置がハードルに近すぎる事です。
踏み切り位置が近いと、最高到達点前にハードルと接触してしまうのです。
その多くは、振り上げ脚が上がり切る前に接触する事です。
踏み切り位置の目安は、空中滞在率がハードル前が6、ハードル後が4です。
最高到達点がハードル直前に来るイメージが大切です。
後は抜き脚を出来るだけ高くし、ハードルに引っかかる事が無いように、素早く抜き切り第一歩目に備えるようにしましょう。
ハードル走で重要な事
前述で述べてきた重要なポイントをまとめると
- 恐怖心を克服する事!
- ハードルを跨ぐ事!
- 振り上げ脚と抜き脚のスムーズな動き!
- インターバルを必ず3歩で走りきる事!
- 踏み切り位置はハードルに対して6:4!
と、なります。
これからハードル走を始める人も、ハードル走の記録が上がらない人も、これらの事さえ出来れば必ず記録は伸びるはずです。
ハードル走で記録を伸ばす方法
ハードル走で記録を伸ばしていくためには、- 基本的な知識
- コツ
- 練習方法
それらを知っていることで、指導された内容を深く理解でき、記録を伸ばすことにつながるでしょう。
そのような基本的な知識やコツ、練習方法を無料メールマガジンで配信しております。
ぜひご登録ください。
ハードル走での記録を伸ばしていくには
- 一流の選手がどのような練習やトレーニングをしているのか?
- 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
関連ページ
- 400Mハードル記録を伸ばす逆脚の習得する練習方法とは?
- 110mハードルに比べ、ハードルの技術より走力が重要と思われている400mハードルですが、走力だけではなくレースパターンがタイムに大きく影響を与えることが分かっています。中盤にいかにスピードを落とさないかが、レース全体の記録向上につながると言えます。レース中盤の失速を抑えるための逆脚技術を習得するための練習方法を紹介いたします。
- ハードルを倒しがちな方の抜き足の具体的練習方法とは?
- ハードル走を初めて1年ほどが経てば、多くの選手はハードルに対する恐怖感も抜けて記録を伸ばせるようになってくるでしょう。恐怖感なく走れるようになってきた段階が、ハードル走における「中級者」の証だと考える方も少なくありません。しかし中級者になると、「ハードルを倒す」というミスをしてしまう方が増えてきます。最小限の動きで記録を伸ばそうとするあまり、跳躍が足りずにハードルに足をひっかけてしまうからです。中級者は、「ハードルを倒さずに走り抜ける」という次のステップに進むべきです。
- リズム感を身につければハードル走の記録はグンと伸びる
- ハードル走で良い記録を出すためには「リズム感」が必要不可欠です。走力や跳躍力ばかりを重要視していては、いつまでたっても上達できないでしょう。速く走ることが記録に繋がるのは当たり前ですが、短距離走のような感覚でスピードを出すと、ハードルを上手く超えることができません。ハードルを超えるためにはジャンプする必要がありますが、あまり高く跳び過ぎると大きなタイムロスになりかねません。このように、走力や跳躍力は必要なものであっても、ハードル走において最重要な要素ではないのです。
- 小学生のハードル走の恐怖心をなくして跳べるようになる練習法とは?
- 100m走やリレー競技などに比べれば、小学生のハードル走の競技人口は少ない傾向にあります。やはり「走る」という動作に加えて「跳ぶ」という動作が入るハードル走には恐怖感を覚えてしまう子が多いからです。小学生の子供たちにハードル走を指導するのならば、この「恐怖感」を取り除いてあげる必要があるといえるでしょう。そこで今回は、前途有望な小学生選手を指導する立場の方に知ってもらいたい「小学生でもハードル走に馴染めるようになる指導法」をご紹介したいと思います。
- ハードル間のスピード向上がハードル走の記録短縮となる理由とは?
- ある水準までハードルの経験を積んだ場合、ハードリング技術の向上だけでは記録を短縮することができません。記録を短縮するためにはハードル間のスピードを上げるしかないといえ、いかにハードル間を速く走るかが記録短縮のカギになることが分かります。もちろん、ハードルを始めたばかりの方は、ハードリング練習をすることが記録を短縮する近道になるといえるでしょう。しかし、ある程度経験を積まれた方は、ハードリング練習以外の練習をすることが記録の短縮につながるといえます。そこで、今回はハードル間を速く走れるように練習で気を付ける3つの点について紹介します。
- 110mハードル走のアプローチ7ステップの有効性の理由とは?
- 110mハードル走における面白い実験結果があったのでご紹介したいと思います。アプローチの歩数は「7ステップ」と「8ステップ」のどちらが有利なのかという最新のスポーツ論文に基づくものです。経験者ならご存知だと思いますが、これまで日本の陸上界では8ステップが主流でした。110mハードル走(女子は100m)の場合、アプローチは男子13.72m、女子13.00mなので、この距離を8ステップで走り切ってしまうわけです。13m以上の距離をたった8ステップで走ることは、初心者にとっての大きな関門のひとつとなります。
- ハードル走のリード脚と抜き足の利き足がタイムに影響する理由とは?
- 今回は、利き足についての知識をご紹介しておきたいと思います。知ったところで簡単に矯正できるものでもありませんし、ハードル走においては優先度が低い要素ではありますが、利き足による優劣は「確かに存在する」からです。ハードル走を続けるならば、あくまで知識のひとつとして自分の利き足くらいは知っておいたほうがいいでしょう。
- ハードル走の熟練度で変わる目線の位置
- 鹿屋体育大学が公開したハードル走に関する論文にて「熟練者の視線行動を初級者に学習させることで、初級者特有の歩幅長の変動を減少させる可能性がある」という一文がありました。ハードル走において「初心者と上級者では目線の位置が違う」とは昔から言われてきたことですが、目線の位置を変えることで上達に繋がるという発想はなかなか面白いと思います。目線の高さを変えることでどれほどの効果が出るのかは未だ研究中とのことですが、先の論文によれば「初心者と上級者の目線は明確に違うことが判明した」と結論づけています。効果の有無はさておくとしても、初心者と上級者に目線の違いがあるという事実は、何らかの合理性を持っているとみて間違いないのではないでしょうか。
- ハードル走の記録は1台目で決まる
- ハードル走で良い記録を出すためには、スタートラインから1台目のハードルまでの区間が最も大切なプロセスになります。「ハードル走の記録は1台目で決まる」という指導を受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。どうして1台目のハードルが重要なのかというと、それはこの区間がハードル走で唯一の「加速区間」になるからです。つまり1台目までの8歩でしっかり加速しておかなければ、残りの区間ではそれ以上加速することが難しくなってしまうというわけです。