【やり投げのスパイクと他種目の投てき用シューズの違いは?】
しかしスローイングシューズのカタログ等を見てみると「砲丸投げ・円盤投げ用」と書かれているものが多く、やり投げだけ対象外になっているモデルが多いことに気がつきます。
どうしてやり投げだけ別扱いなのかというと、やり投げは三大投てき競技の中で唯一「スパイク」を使う競技だからです。
砲丸投げ・円盤投げには「回転投法」があるため、スローイングシューズの底面はフラットな造りになっています。
滑り止めの凹凸も最小限に抑え、「回転のしやすさ」を重視した靴が多いわけですね。
しかしやり投げは、公式ルールによって回転投法が禁じられています。
そのため回転のしやすさが必要なく、より「投てきの瞬間のグリップ力」を追求したスパイクが使われるようになったのです。
【左投げの選手専用のやり投げのスパイクはある?】
やり投げのスパイクには、
- 「右投げ用」
- 「左投げ用」
があります。
砲丸投げや円盤投げのスローイングシューズには左右の違いがありませんが、やり投げ用スパイクは利き手によって全く違うので注意しましょう。
そもそもやり投げのスパイクは「アシンメトリー設計」になっているモデルが多いです。
やり投げでは半身を傾けて助走を付けるため、右半身と左半身が別々の動きをします。
その動きの違いをフォローするため、右足と左足に別々の機能を持たせたのがアシンメトリー設計のスパイクなのです。
実際にやり投げ用のスパイクを見てみれば、左右の靴の形が全く違うことが分かるでしょう。
店頭またはネットでやり投げのスパイクを購入するときは、必ず右投げ・左投げの違いを考慮するようにしましょう。
【やり投げ用スパイクのピンの長さはどれくらい?】
スパイクのピンは、競技や熟練度によって適切な長さが異なります。
例えば短距離走の場合、初心者は12oのピンを使うことが多く、上級者になると7oのピンを愛用することが多いです。
ピンが長いほどグリップ力が強いのですが、足抜けが悪くなるので走り辛さを感じることも多くなります。
逆に、ピンが短ければ滑りやすくなりますが、最小限の動きでピンが地面から抜けるので走りやすくなるでしょう。
同じ競技であっても、スパイクのピンの長さは選手のレベルによって調整するべきなのです。
さて、それではやり投げではどれくらいのピンを選ぶとよいのでしょうか。
公式ルールでは、
- やり投げのスパイクピンは12oを超えてはならない
とされています。
やり投げ用スパイクの現行モデルをみても、やはり11o〜12o程度の長さに設計されているものが多いようです。
【やり投げのスパイクはどうして片方だけハイカットになっているの?】
やり投げ用のスパイクは、左右の靴の形が違う「アシンメトリー設計」になっているものが多いです。
細かく挙げればいくつか違いはありますが、外見上の最大の違いは片方の靴だけハイカットになっていることです。
右投げ用なら左側の靴が、左投げ用なら右側の靴がハイカットになっています。
片側は走りやすそうなローカットになっているのに、その反対側はバッシュのようなハイカット…
この不思議な設計の違いに、首を傾げた経験のある方も多いのではないでしょうか。
どうしてこのような設計になっているのかというと、主な理由は軸足をホールドするためです。
やり投げでは左右の体の動きが異なるため、力いっぱい投てきすると軸足(利き手の反対側の足)がブレやすいのです。
スパイクは軸足側をハイカットにすることでホールド力を高め、足元をしっかりサポートしてくれているわけです。
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