ハードル競技における「縦の動き」「横の動き」とは?
しかし、一流の選手になるためには「人よりも多く練習する」なんてあくまで大前提、どの選手も行っている当たりまえの工夫に過ぎません。
スポーツにおける上達の理論が確立されつつある昨今、根性論だけで練習を続けていても、なかなか大記録を打ち立てることはできないでしょう。
ハードルの世界においてもそれは同じです。
人一倍練習に励んでいるつもりでも、他の選手に勝てないなんてことはザラにあります。
しかし多くの場合、選手間の実力差は「才能」や「センス」なんて、あやふやな要素によって生じているわけではありません。
ましてや、速い選手と遅い選手の実力は「練習量の差」なんて、全時代的な考え方だけで覆せるものでもないのです。
では、どのような要素がハードル競技における、選手間の実力差に繋がっていると思いますか?
答えは至ってシンプルで、
- 「練習内容の差」
こそが最も大きな要因になっていると考えられます。
縦の動きと横の動きを理解する
近年、ハードル競技では
- 「縦の動き」
- 「横の動き」
を理解することが、上達に必要不可欠だと考えられるようになってきました。
このワードを聞いてピンときた方ならまだしも、「縦の動きと横の動きってなに?」と疑問に感じた方は、そもそも練習内容で差をつけられていた可能性があります。
ザックリ言うと、
- 「縦の動き」とは「真上に跳ぶ力」
のことです。
対照的に
- 「横の動き」とは、「前方に跳ぶ力」
のことを指します。
人間はハードルを跳び越えようとするとき、まず縦の力によって体を浮かせ、横の力によってハードルを越えます。
単に「跳ぶ」という動きで捉えるのではなく、「縦の力」「横の力」が合わさって、初めてハードルを飛び越えるという動きが可能になるのだと理解する必要があります。
なぜなら、縦の力と横の力では、使う筋肉も違えば押さえておくべきポイントも全く違うからです。
勢いよく飛んでいるのにハードルに足がぶつかってしまうという方は、「縦の力」が足りていないと考えるべきです。
ちゃんと高く跳んでいるはずなのにハードルを倒してしまうという方は、「横の力」が足りないと考えるべきです。
「跳ぶ」という動作を「縦の動き」「横の動き」に分けて考えることは、自身に足りていない力をより細かく分析するのに役立つのです。
縦の動きと横の動きを調和させることも大切
ハードルにおける「縦の動き」「横の動き」を理解したら、それぞれの長所を伸ばしていく必要があります。
縦の動きが足りないと感じたら、バウンディングなどのトレーニングで真上に跳ぶ力を強化します。
横の動きが足りないと感じたら、地面をしっかりと蹴って走力を上げるためのトレーニングを追加します。
そうして「縦の動き」「横の動き」両方の熟練度を高めたら、縦の動きと横の動きを調和させるためのトレーニングも必要です。
いくら高く跳べたからといって真上にしか跳べないならハードルを越えることはできませんし、いくら長い距離を跳べたからといって前方にしか飛べないならハードルを倒してしまいます。
走り高跳びや走り幅跳びの選手ならそれで良いのですが、あくまで「ハードル」という特殊な競技のなかで実力を発揮したいなら、縦の力と横の力を上手く掛け合わせなければならないのです。
縦の動きと横の動きを理解している指導者から学ぶ
しかし問題は、縦の動き・横の動きをしっかりと理解し、またこの2つの動きを調和させて「跳ぶ」という動作を作る方法を知らない指導者も、まだまだ多いということです。
特に部活動などでは、未だに全時代的な「練習量」だけで実力を伸ばそうとする、間違った指導法が横行しています。
圧倒的な練習量が功を奏すケースが無いとはいいませんが、多くの場合は練習のしすぎで体を壊すなど、かえって選手生命を縮めることに繋がりかねません。
ハードル競技で長く現役を続けたいなら、まずは練習方法を見直す必要があるといえるでしょう。
縦の動き・横の動きをしっかりと理解している、良い指導者に出会えれば一番ですが、そうでなければハードル競技のスペシャリストが解説している映像を見て勉強するのも有効です。
3大会連続オリンピック出場者・山崎一彦さんが考案した練習法
まだまだ認知度の低い「縦の動き」「横の動き」に分けた練習法。
ここで初めて聞いたという方のなかには、「ちょっと胡散臭い…」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかしこの練習法、実は3大会連続オリンピック出場の実績を持つ、山崎一彦さんが考案した由緒ある方法なんです。
ハードル競技に携わったことのある方なら誰でもその名前を知っていることでしょう。
山崎一彦さんは、1992年のバルセロナオリンピックから2000年のシドニーオリンピックまで、3大会連続でハードル競技の日本代表に選ばれ、1995年の世界選手権では日本人初のファイナリストに残るという偉大な実績を持つ選手です。
現在は順天堂大学スポーツ健康科学部で准教授を務める傍ら、2020東京オリンピック特別対策プロジェクトのディレクター・日本陸上競技連盟強化委員として今なおハードル競技の新人育成に取り組んでいらっしゃいます。
山崎一彦さんは紛れもなく、日本のハードル競技界におけるレジェンド的存在です。
そんな山崎一彦さんが自身の現役時代の経験と、引退後に若い選手の育成に携わった経験から生み出したのが、先述の「縦の動き」「横の動き」の練習法です。
常に国内トップレベルで走ってきた山崎一彦さんだからこそ生み出せたのが、ハードル競技界に革命をもたらした「縦と横」の練習法だったのです。
縦の動き・横の動きを理解するためにはDVD「ハードル上達革命」を見よう
- 「縦の動き」
- 「横の動き」
- その2つを調和させる動き
ハードル選手として大成したいなら、ぜひとも覚えておきたい3つのポイントですが、これらは一朝一夕で身に着くものではありません。
考案者である山崎一彦さんに直接教えを請えるならまだしも、自己流で「縦の動き」「横の動き」を完璧にするのは至難の業だといえるでしょう。
それでもあきらめたくないという方には、
- 「ハードル上達革命」
というDVDプログラムをオススメします。
実はこのDVDは山崎一彦さんが直々に監修したもので、「縦の動き」「横の動き」を解説する貴重な映像が収録されているんです。
自己流でマスターするのは難しい「縦の動き」「横の動き」ですが、このDVDは山崎一彦さんが実際に動きながら解説してくれるので、かなり感覚的に理解できるつくりになっています。
始めは縦の動きと横の動きに関する理論やイメージから、その練習法、実戦での使い方など、ハードル競技者なら一度は見ておきたい重要な情報が詰まっています。
上手く理解することさえできれば、縦の動きと横の動きを実践するのに才能やセンスは関係ありません。
体格の小さな選手や、足の短い選手に適した対策法まで網羅されているので、ハードル競技で良い記録が出せずに、悩んでいる多くの選手の役に立つはずです。
ハードル競技の悩みが解決できる
ハードル上達革命に収録されているプログラムを一部抜粋すると、
- インターバルを3歩でいけない短足選手はどうすべき?
- ハードルを跳ぶリズムが不安定な選手が怠っている基礎とは?
- 400mハードルでのカーブの踏切を向上させる練習は?
- 無意味なトレーニングの例とその理由は?
- インターバルが詰まってしまう選手への対策は?
- 短期間で成果を生む400mハードル特有の練習法とは?
といった情報も収録されています。
先述の「縦の動き」「横の動き」に関する情報の充実はもちろんですが、それ以外のポイントについても詳しく解説されているのがこのDVDの魅力です。
常にハードル競技界のトップを走り続けてきた、山崎一彦さんの指導を受ける機会はなかなか得られませんが、このDVDを見れば、そのノウハウが吸収できるというのはうれしいですね。
しっかりと練習しているのに、なかなか記録が伸びないという選手は、ぜひハードル上達革命を見て、練習方法の組み直しを行ってみてください。
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