【砲丸投げと握力の関係】
握力が無ければ投擲物をキープすることができませんので、いくら肩が強くても記録を伸ばすことができないからです。
- 物を遠くに投げるためのエネルギーを生み出すのが肩
なら、
- そのエネルギーを一点に集中するのが手、つまりは握力の役割
なのです。
では、握力を鍛えれば鍛えるほど砲丸投げの記録は伸びるのか?といえば、一概にそうとは言えません。
握力はあくまで「キープ」する力であって、そこだけを鍛えたところで物を遠くに投げるパワーが上がるわけではないからです。
「投擲距離を伸ばす」ということだけが目的なら、握力ではなく肩まわりの筋力を鍛えるほうが効果的だといえるでしょう。
実際、砲丸投げの選手の握力は、一般的なスポーツ選手の握力と大差ありません。
大抵は「普通よりも強い」という程度で、全ての砲丸投げ選手が、常人を遥かに凌駕する握力を持っているわけではないのです。
つまり、砲丸投げで記録を出すために「握力は必要」ですが、「握力を鍛えても記録は伸びない」ということになります。
同世代の平均より握力が弱い人でも、肩さえ強ければ高い記録を出せる可能性は充分にあるといえるでしょう。
【どれくらいの握力が要るのか】
結論として、砲丸投げでは「必要最低限」の握力さえあれば記録を伸ばすことができます。
もちろん、握力があるに越したことはありませんが、「握力が強いから記録が伸びる」と直結するわけではないのです。
全ての筋肉には正しい役割があり、握力は「遠くに物を投げる」という働きを持っていません。
では「砲丸投げに必要最低限の握力」とはどれくらいなのでしょうか。
個人差があるため一概には言えませんが、目安として
- 「全力の投擲に耐えうる握力」
があれば問題ありません。
アナタには、投げようとした砲丸が手からすっぽ抜けた…なんて経験はありますか?
手が滑ったという意味ではなく、握力が投擲の威力に耐えられなくて離してしまった、という意味です。
砲丸投げ未経験者なら有りうるケースですが、1ヶ月以上砲丸投げを続けている方なら「そんなこと有り得ない」と感じたのではないでしょうか。
そう、肩の力に握力が負けるなんてことはほぼ有り得ません。
投擲の練習をしていれば肩の力はつきますが、同時に握力も必要な分づつ強くなっていくので、勝手にバランスが取れているはずなんです。
もしも「砲丸を落としてしまう」ほど握力が無いのなら問題ですが、記録はともかく普通に投げることができるなら、必要最低限の握力はクリアしているといって良いでしょう。
【握力を鍛える方法は?】
砲丸投げ選手の握力は、基本的に肩の筋肉と比例して強くなっていきます。
なので意識して鍛えようとしなくとも、普通に練習していれば必要な分の握力はついていくものです。
しかし絶対に例外が無いとは言いません。
練習内容の差や、生まれ持った体質によって、握力がなかなかつかないという選手もいるかもしれません。
そこでここでは、砲丸投げを行う上で必要最低限の握力を鍛える方法をご紹介しておきましょう。
握力を鍛えるときには、手の役割に応じた能力を伸ばすことが基本です。
大雑把に分類すると、手には
- 「クラッシュ」
- 「ピンチ」
- 「ホールド」
- 「オープンクラッシュ」
などの役割があります。
全体をまんべんなく鍛えてもよいのですが、
- 砲丸を持つときには「ホールド」を鍛える
と良いでしょう。
「ホールド」とは、手のひら全体で物をギュッと握りこんだままキープする力です。
重いものを長時間持ち続けることができるようになるため、砲丸を投げる際の威力にも、負けない握力を得ることができます。
ホールドを鍛える方法はいくつもありますが、シンプルに
- 「砲丸を持ったまま歩く」
というのが効果的です。
鍛えたい方の手で砲丸を持ち、腕をダランと下げた状態で長時間歩き続けます。
最初は1〜2分で限界がくるかもしれませんが、10分〜20分連続で行えるようになればOKです
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