【プロの世界で100kg超えは当たり前!?】
身長がある・筋肉があるというのは当然として、その他の陸上競技よりも「太っている選手」がやけに目につくのです。
短距離走や跳躍系など、陸上競技の選手は細身の人が多いイメージがありますよね。
投擲系の競技になると筋骨隆々のマッチョマンが多くなってきますが、やり投げや円盤投げの選手をみても、それほど体重の重そうな選手はいません。
見た目だけで違いがわかるほどに、ハンマー投げの選手は「重そう」な体型をしているのです。
トップ選手のデータを参照してみると、ほとんどの選手が体重100kgを超えていることがわかります。
- 男子世界記録保持者のユーリ・セディフ選手が110kg
- リオデジャネイロ五輪の金メダリストであるディルショド・ナザロフ選手が120kg
- 2009年世界陸上金メダリストのプリモジュ・コズムス選手が112kg
- などなど…
ハンマー投げのプロの世界では、体重100kg超えなんて当たり前だといえるでしょう。
【ハンマー投げの選手が太っているのには理由がある】
ハンマー投げの選手は太っている方が多い…
と説明しましたが、もちろんそれには立派な理由があります。
単純な話、
- ハンマー投げでは「体重が重いほうが有利」
だからです。
ハンマーを回転させると、選手の体は大きな遠心力で引っ張られることになります。
体重が足りないと遠心力に負けて軸がブレるため、まともに回転することができなくなる
というのが第一の理由です。
選手の体型にかかわらず、使用するハンマーの重さは同一ですから、体にかかる遠心力も同一。
そのため、体重が重いほうが遠心力に負けず安定した投擲を行うことができるわけですね。
また、体重が軽いと重心がハンマー側に傾いてしまうという研究結果もあります。
重心を自分側に引っ張り戻すためには、大きな牽引力が必要になりますから、その分無駄なエネルギーを使って不利になってしまうわけです。
【ハンマー投げ選手は太っていたほうがいいの?】
ハンマー投げ選手において体重が重いほうが有利なのは事実ですが、決して「太っていればいい」というわけではないので注意しましょう。
この記事では便宜上、ハンマー投げ選手のことを「太っている」と表現しましたが、厳密にいえば彼らは肥満体型ではありません。
外見上太っているように見えたとしても、
ハンマー投げ選手の体は鋼のような筋肉に覆われています。
その体重の正体はほとんどが筋肉であり、脂肪分だけを蓄えて大きな体を作っているわけでは決してない
のです。
ハンマーの遠心力に耐えるには、いずれにせよ大きな筋肉が必要になります。
これといったトレーニングもせず脂肪分で体重120kgに達したとしても、筋肉が不足していればハンマーを回すことはできません。
体重はハンマー投げの補助的な役割を果たしますが、それが効果を発揮するのは、あくまで適切な技術と筋力あっての賜物だということも覚えておきましょう。
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